2035 10年後のニッポン
https://m.media-amazon.com/images/I/81P-Wj+wfrL._SY522_.jpg https://www.amazon.co.jp/dp/B0C9HSTVPD/?tag=1000ch-22
AI…2045 と予測されていたシンギュラリティは眼の前にある、人間とは何なのかという命題にぶつかっている。LLM の学習プロセスは人間と同様、大量のインプットから妥当と思われる答えを作り出して、教育による語学は後付に過ぎない。GPT は膨大なデータあら中立的に答えを探すため、既視感がある。真のシンギュラリティに到達するには個性が必要だが、それは GPT の記憶容量に応じたカスタマイズで実現しつつある。充分なインプットがあれば、自分の人格を後世まで残すことが可能。AI の活用先は老人と子供、幼児の「 なぜなぜ 」に対して有効だし、英語も話せる。日本人が従事する仕事の半分は AI で代替される、メールの送受信はより正確にやってくれるし、データを集めて経営課題を分析し改善を提案するコンサルティング業界は役目を終える。AI はアートの領域まで達している。未来の悲観による犯罪の増加、町中の犯罪の予知。
お金・経済…アメリカの金利政策で金利が上昇しているのに対し、日本は据え置いている。また、日本経済の実力不足から、貨幣価値が相対的に下がり円安が続いている。円安により、インバウンド需要が増えたり、価格競争で有利になることから輸出が改善したりするが、長く続いた場合の話なので、まずは国内の産業足場を改善する必要がある。平均寿命が延びることで、がん患者数は相対的に増える。その結果、支える人数が増えるので保険料は高くなっていく。支える人数が増えることで年金への不安もあるが、GPIF による運用で年間 98 兆もの利益がでている。支給額の目減りはあるかもしれないが、受給に関する調整も行われているため破綻は考えづらい。投資は自己投資、リターンを目指すなら起業。長期・分散・低コストの原則は変わらない。今後、人件費や販管費が発生する店舗型銀行の経営は難しくなっていき、欺きながら営業することが想定される。労働先としての日本の魅力は薄まる。技能実習生として労働力を安く確保してきたが、その権利は曖昧になったままで国連にも批判されている。更に円安が拍車をかけて、円で稼ぐメリットが減っている。むしろ、日本から海外に出稼ぎに出ていく若者が増えている。このままでは労働力を確保できず、産業が空洞化する。移民の受け入れに反對的な自民党をどうにかする必要があるが、外国資本が鍵になる。日本の経済停滞は既得権益の力の弱まりを意味している。日本のファンは世界中にいるので、富裕層を受け入れる経済特区を作れば、日本にたくさんのお金を落としてくれる。沖縄は立地と気候からHAWAIIのようなリゾートになれるポテンシャルがある。中国の富裕層は、この円安のタイミングで日本の安定した土地を買っている。共産党による強制的な搾取を避けるためだ。また、中国には所有権の概念がないといった、内政にも強く結びついている。中国人に買われ続けても、国土の統治権は日本にあるので、やれることはたかが知れている。ロシアのウクライナ侵攻は国際的な批判を浴び、経済制裁が行われたものの軍事制裁はなかった。これは核保有によるところが大きい。北朝鮮の核開発の狙いはそこにあり、アメリカとも対等になるための手段だ。中国がある東側には打てない、そうなると日本側に慎重に打つという選択肢を取らざるをえない。
仕事・暮らし…リモートワークで失われるピアプレッシャー、生産性を確保できるのは自己管理できる人。テキストコミュニケーションに見る日本語力の格差。リモートワークを上手く活用する人とそうでない人で、タイムパフォーマンスに差が生まれている。交通網へのダイナミックプライシングの導入によって、電車や高速道路の運用最適化が進む。しかし、実際には行動力のある人が自らのライフスタイルを変えてしまうので、地方移住が進んだりする。オンラインコミュケーションは移動コストを無くす意味で有用だが、雑談には向かない。Zoom 飲みが廃れたのもそれが理由だ。マッチングアプリ婚は今後一般化していく。これまでの限定的な選択肢に比べて、豊富な選択肢からパートナーを探せるので離婚率も下がっている。それは若年層に限らず高年層へも向けられる。伴侶に旅立たれて寂しい想いを募らせ、認知症に繋がったりする。日本は若返っている、高齢者の定義は変化するべき。我々の祖父祖母が 65 歳だったときと、父母が 65 歳だったときを比べると大きな差がある。これを見直せると、年金制度および医療費控除の問題が軽減される。全国各地の過疎化が進むと、耐用年数 50 年とされるインフラを維持管理できなくなる。教師不足の課題は、ビデオ授業料によって改善される。過酷な労働に対して十分な見返りがない公務員の教育者が増える望みは薄い。対して、上質な授業をオンラインで提供できるので、教師の数という課題要素を減らせる。インフルエンサー政治家の選挙制度上の有利。昆虫食は拡大しない。ブロイラーなどに比べて飼育上の問題が多く、生産効率は良くない。また、培養肉の研究が進んでいく。地球温暖化などの気候変動によって、漁業は難しくなっていく。日本経済の停滞が続けば、日本の漁獲の出荷先は日本ではなくなっていく。アニサキスなどの食中毒も深刻な問題で、宿主の食物連鎖の頂点にいるクジラの保護によって近年増えている。加熱すれば良いだけでなく、アレルギーがあることも厄介だ。日本のフルーツは、シャインマスカットやあまおうなど、世界と比べてもかなりレベルが高く、席巻するポテンシャルがある。
産業…短期間でリスクを取って前に進むスタートアップは日本経済の光明である。ベンチャーキャピタルの投資額が増えているだけでなく、政府も予算を含むスタートアップ重点計画を検討している。昔は過酷な労働を強いられたり、転職時にプラスに働かないなどのイメージもあったが、それはほぼ払拭された。スタートアップの目標地点はイグジットだが、人を集めることが困難な世の中で、ミクロな起業は増えていく。加速度的な技術革命についていけないスタートアップは倒産していく。エリートは大企業へ、野心的な人はベンチャーへ、そうでないヒトはミクロな起業に乗り出すだろう。人間は社会的動物なので、孤独には生きていけない。老年になるにつれてそれは深刻化し、コールセンターへ世間話を目的に電話する人が増えている。高齢者の話をきくことで返報性の原理が働き、商品を売り込みやすい構造が生まれる。これで成功しているのがセイコーマートだ。こうしたコミュケーションを付加価値にしたビジネスが深化していく。EU は 2035 年までにEV 車販売を前提としていくことに合意したが、その実態はトヨタ潰しだ。ガソリンエンジンの開発には長年のノウハウを必要とするが、EV 車の動力はモーターであり、電磁動力は計算通りに動くため開発が容易い。環境保護を掲げるアメリカや中国も税制上の優遇など、ガソリンエンジンに不利な包囲網が敷かれつつある。トヨタも最近ようやく EV 車の開発目標を掲げたが、タイミングは著しく遅かった、その代償は大きい。既存の車と EV 車に求められる技術の差に、ICT (情報通信技術) がある。テスラや BYD が開発しているのは、インターネットに常時接続されている車、走るスマートフォンのようなものだ。つまり、ソフトウェア技術に長けていることは欠かせないが、トヨタの投資領域はハードウェア技術であり、下請けに頼ってきた。これはガラケーとスマートフォンの関係に似ていて、ガラケーはあくまで電話が主だったがスマートフォンが革命的だったのはパソコンの付加価値として通話・通信機能があり、電話として販売したことで利用の敷居を下げたことだ。Nokia が栄えていたのを Apple の iPhone が引きずりおろしたように、テスラがトヨタを引きずりおろすのは予見できる。カルロス・ゴーンは先見の明があったが、日産が追い出してしまった。Lyft, DiDi, Grab, Uber のように海外では一般化して好調なライドシェアだが、日本は規制によって進んでいない。これはタクシー業界の反発があるからだ( =既得権益)。テスラの真骨頂は EV ではなく、バッテリーマネジメントにある。電池が電気自動車の核なのは言うまでもないが、テスラはその技術開発を進め続け、今や他分野にも応用されている(Powerwall, Solar Roof)。テスラの本丸は各地に設置された Powerwall と Solar Roof を連結して発電所を持たずして給電する仮想発電所である。テレビの利用者が減ったことで広告費が減り、ネットに水をあけられているが、テレビに残された価値は何か、それはブランド(社会的信用)である。それが健在なうちにやるべきは、広告に依存した収益構造の転換。サブスクリプションに転換し、ネット放送と切磋琢磨すべきだ。韓国のエンタメは日本のそれとクオリティに雲泥の差がある、人口規模の差があるにも関わらずだ。それはターゲットが端から世界を見据えているかどうか。ネットフリックスなどにより世界のエンタメを楽しめるようになったので、日本お得意のドメスティック戦略は、人口減とともに衰退していく。日本がエンタメ大国として返り咲くためには、低予算で高品質のエンタメコンテンツを作ることだ。
テクノロジー…Meta 社が掲げる世界観が実現されるには課題が大きい。メタバースに必要なヘッドマウントディスプレイは重く、長時間の着用に適さない。これが脳に電気的な刺激を直接送れるなら別だが、そこには技術的な壁がある。対して、ディスプレイ上の 3D 表現はフォートナイトや FF などは非常に浸透しており、その世界での交流という意味では共通している。人口の太陽とも称される核融合炉が発明される、これを発電に使おうとしている。原子力発電は核分裂反応を、核融合炉は核融合反応を利用する。核融合は連鎖しないので核分裂に比べて暴走しづらく、制御できる。そして、放射性廃棄物も高レベルではないので処理しやすい。原料となる重水素は海水に存在するので、事実上無限である。開発も順調に行われていてフランスで第1号機が誕生しようとしている。2025 年に運転開始され、2035 年までに出力エネルギーが入力エネルギーを超える見込み。実用化されれば、エネルギーに関する世界中の懸念は一掃される。5G は通信を抜本的に良くする見込み、6G も開発されているが、それらは基地局の開発を必要とするため、なかなか進まない。しかし、それらは低軌道衛星によって不要になる。代表的なのが、2018 年に試験がはじまったスペースXの Starlink で、非常に小型なものと噂されている。低軌道なので、接続のロスも少なく、大量に打ち上げられればカバー範囲は充分になり地上基地局は不要になるだろう。日本がロケット大国になるポテンシャルは充分にある、それはロケットを東に打ち上げれることだ。東に打ち上げることで、地球の自転を使って加速できるのだ。他国であれば隣国に向けて打ち上げられないが、日本の東は太平洋である。また、アメリカの ITAR のような規制もなく、日本での開発が著しく発展する可能性がある。人工衛星をはじめ、ものを宇宙に送り込む手段が必要だが、ロシアのウクライナ侵攻以来、ロシアへの経済制裁がはじまったため、頼めなくなってしまった。日本はチャンスである。Q 神経という冬眠に関わる神経を刺激することで、マウスを冬眠させる実験が筑波大学で行われ、成功した。そして、特定の物質を与えると Q 神経を刺激するマウスを作り出すことにも成功した。Q 神経は哺乳類がもっているので、理論上は人間も冬眠することが可能だ。現在は人間の Q 神経を刺激する神経ペプチドを探しており、カエルの粘膜から検出されたが、それは人間の血液フィルターを通らないため、小さくする研究が行われている。人工冬眠は様々な医療に応用可能で、例えば脳梗塞の患者を冬眠させることで悲劇を減らせる。新型コロナウイルスの悲劇は mRNA の急速な発展を促した。旧来のワクチンは弱らせたウイルスかそのタンパク質の一部を投与するが、mRNA は設計図によってその物質への抵抗力を高める。もともとがん細胞に対して研究されており、がん細胞の mRNA を投与することでそのがん細胞への免疫を機能させる。猫の平均寿命は 16 年だが、その原因の多くは腎不全であり、発見されたときには既に遅い。その鍵は AIM というタンパク質にあることを発見し、それが加齢により機能しなくなることもわかった。その研究は新型コロナウイルスによって頓挫仕掛けたが、クラウドファンディングによって再開した。数年以内に実用化されるだろう。